弁膜疾患の非薬物治療に関するガイドライン(2012年改訂版)
Guidelines for Surgical and Interventional Treatment of Valvular Haert Disease( JCS 2012)
2 病態から見た手術適応
 大動脈基部における径の拡大はしばしば大動脈弁閉鎖不全症(AR)を合併する.Marfan症候群に代表される典型的な大動脈弁輪拡張症(annuloaortic ectasia: AAE)以外にも, 上行大動脈近位部の拡大がsino-tubular junctionを伸展して様々な程度のARを生ずる.また,先天的大動脈二尖弁の多くは,血管の結合組織に弾性線維の欠落355),356)が認められ,大動脈弁狭窄症(AS)や閉鎖不全症(AR)のような血行動態ではないにもかかわらず,大動脈基部もしくは上行大動脈の拡張が認められる.大動脈基部もしくは上行大動脈の拡張は,条件により進行していく250),357)-360).これらの患者は,拡張の度合いによって,大動脈解離の危険性もある355),359),361),362).手術適応はバルサルバ洞を含む上行大動脈の径とAS・ARの程度の両面から判断される.
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Ⅴ その他 > 3 上行大動脈拡張合併弁膜症患者の手術 > 2 病態から見た手術適応