弁膜疾患の非薬物治療に関するガイドライン(2012年改訂版)
Guidelines for Surgical and Interventional Treatment of Valvular Haert Disease( JCS 2012)
1 三尖弁輪縫縮術
Suture Annuloplasty に比べるとRing Annuloplasty は遠隔
期のTR再発は少ない
2 三尖弁置換術
機械弁,生体弁選択による早期,遠隔期,再手術回避
率に差を認めない
5 Controversies(
表35
)
弁輪縫縮術に対し,Suture Annuloplastyを行うかRing Annuloplastyを選択するかは意見の分かれるところであるが,最近の報告ではSuture Annuloplastyに比べるとRing Annuloplastyの方が遠隔期のTR再発は少ないとされている.
また,2度のTRに対しては, 術後のより良好なquality of life(QOL)を目指して,心房細動を有し弁輪拡大を認める症例には積極的に弁輪縫縮術をすべきと考えられるが,この点についても今後の検討が必要である.
さらに,Ring Annuloplastyにおいて使用するリングの種類にはrigid ringとflexible ringの選択があるが,生理的な三尖弁輪の収縮拡張能を温存するにはflexibleが望ましいとも考えられる.しかし,flexibleの遠隔成績はまだ明らかではなく,rigidも三尖弁の生理的三次元構造を模したものが汎用されつつあり,今後の検討が待た
れる.
三尖弁置換術における人工弁選択に関しては議論の余地があるものの,最近のメタアナリシスは機械弁,生体弁選択による早期,遠隔期,再手術回避率に差を認めないと報告している
314)
.
表35 三尖弁手術に関する最近の知見
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Ⅲ 三尖弁疾患
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2 三尖弁閉鎖不全症に対する手術適応,術式とその選択
> 5 Controversies(表35)
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